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三重県認定研修会

浄化槽について

About

浄化槽の仕組み・役割

水は生活していくうえでとても大切なものです。人間は毎日、お風呂やトイレの洗浄水や洗濯、食器洗いなどで沢山の水が使われています。そこで、汚れた水が川や海に帰っていく過程において浄化槽が活躍するのです。浄化槽とは、トイレの排水(し尿)や台所・風呂・洗濯などの生活雑排水を微生物の働きを利用して浄化し、放流する施設です。

単独処理浄化槽(みなし浄化槽)

トイレ排水(し尿)のみを処理する

トイレ排水(し尿)の汚れは処理される(13グラム→5グラム)
台所・風呂・洗濯等の汚れはそのまま (27グラム)

●汚れの量=合計 5グラム+27グラム=32グラム

単独処理浄化槽

合併処理浄化槽

トイレ排水(し尿)と生活雑排水を合わせて処理する

トイレ排水(し尿)の汚れ(13グラム)と台所・風呂・洗濯等の生活雑排水(27グラム)が合わせて処理される

●合計40グラムの汚れが処理されて汚れの量は4グラム

合併処理浄化槽

Management

浄化槽管理について

浄化槽は生きています。正しい使用、管理によって大きな働きをします。快適な日常生活を送るため、日頃の使用に注意しましょう。

トイレの洗浄水は、十分な量を流してください。

使用水量が少ないと途中で詰まったり浄化槽の働きが悪くなります。使用の都度、きめられた量を流しましょう。

便器の掃除には、微生物に影響するような薬剤を使用しないでください。

洗浄剤、洗剤、殺虫剤等で、浄化槽の正常な機能を妨げるものは流さないでください。浄化槽の微生物の働きを低下させてしまいます。
(合併処理)浄化槽には、使った油は流しなどに流さず、ゴミと一緒に出してください。

トイレにトイレットペーパー以外の異物を流さないで下さい。

タバコの吸い殻、生理用品(雑物・ゴム製品)は絶対に入れないでください。

浄化槽の電源は切らないでください。また、通気口や送風機の空気取り入れ口はふさがないでください。

ばっ気型浄化槽で電源を切ると微生物が死んで処理ができなくなります。

マンホールの上に物を置かず、蓋はいつもきちんと閉めておいてください。

点検や清掃、検査作業のとき不便です。

消毒剤は切らさず、常に消毒されるようにしてください。

浄化槽の放流水には消毒を行います。
消毒剤の補給が必要です。(保守点検業者にお問い合わせください)

台所から、野菜くずや天ぷら油などは流さないでください。

台所から、野菜くずや天ぷら油などは流さないでください。

管理の記録は保管してください

保守点検・清掃・及び検査の記録はまとめてわかり易い場所に保管しましょう。
○保守点検記録票(3年間保存)
○清掃記録票(3年間保存)
○法定検査結果書(保存書類)

浄化槽の清掃

浄化槽に流入してきた汚水は、微生物の働きにより処理されるのですが、この浄化槽の汚水を処理する過程で必ず汚泥やスカムといった泥の固まりが生じます。これらがたまりすぎてしまうと、浄化槽の機能に支障をきたし、処理が十分に行われなくなったり、悪臭を発生する原因となったりしてしまいます。このような状態にならないように、スカムや汚泥を浄化槽外に引き抜き、浄化槽の付属装置や機械類を洗ったり、掃除することが必要となります。
清掃とはこのような作業のことを言いますが、浄化槽を適切に維持管理していく上で、とても重要な作業です。

「清掃」は浄化槽内にたまった汚泥等の引出し、調整及び機器類の洗浄、掃除などの作業です

浄化槽法で、清掃は毎年1回の実施が定められています。(浄化槽法第10条)

全ばっ気方式の単独処理浄化槽の清掃は、おおむね6ヶ月ごとに1回以上の実施が必要です。

「清掃」は技術上の基準に従って行わなければなりません(浄化槽法第9条)

清掃作業は市町村の許可を受けた「清掃業者」に依頼してください。

ちょっとした心づかいで、浄化槽は大きな働きをしてくれます

使用済の油やひどい汚れは直接流さず、拭き取ってゴミに出しましょう
洗剤・漂白剤は適量を使い、中性洗剤を使用するよう心がけましょう

もし、汚れのもとを家庭から流すとどのくらい水が汚れるのでしょうか

汚れの程度「BOD」で見てみましょう

BODとは、生物化学的酸素要求量(水中の有機物の代表的な汚染指標【生活環境項目】)生物が水中にある有機物を分解するのに必要とする酸素の量(mg/ℓ)を表しています。河川の汚染度が進むほど、この値は高くなります。

① BOD

② 汚れのもとの量

③ 魚が暮らせる水質にするための水の量

*風呂おけ(300リットル)で何杯分か

米のとぎ汁

  • ① 3,000mg/ℓ
  • ② 2リットル
  • ③ 4杯分

みそ汁

  • ① 35,000mg/ℓ
  • ② 200ミリリットル
  • ③ 4.7杯分

牛乳

  • ① 78,000mg/ℓ
  • ② 200ミリリットル
  • ③ 10.4杯分

ラーメンの汁

  • ① 25,000mg/ℓ
  • ② 200ミリリットル
  • ③ 3.3杯分

しょうゆ

  • ① 150,000mg/ℓ
  • ② 15ミリリットル
  • ③ 1.5杯分

使用済み天ぷら油

  • ① 15,000,000mg/ℓ
  • ② 200ミリリットル
  • ③ 200杯分
Maintenance

保守点検について

浄化槽は微生物の働きによって汚水を処理する施設です。
そのため、微生物が働きやすい状況を常に保つ必要があります。
浄化槽の中の微生物に酸素を供給するブロワー(送風機)等は休みなく連続運転されますので、故障等が発生しないように点検が必要となります。
また、消毒剤等の消耗品は定期的に補給、交換が必要です。
さらに、各装置の点検を行うことにより、スカムや汚泥の状況を確認し浄化槽の清掃を行う時期を判断することも保守点検の大切な役割です。
このように「保守点検」は浄化槽の機能を正常に保つうえできわめて重要です。

  • 「保守点検」は浄化槽装置や機械の調整、修理、スカムや汚泥の状況を確認、又消毒剤の補充等、浄化槽の機能を正常に保つために定期的に行う点検作業です。
  • 浄化槽の機種、大きさ等により、点検回数が「環境省関係浄化槽法施行規則」により定められています。
  • 「保守点検」は技術上の基準に従って行わなければなりませんが(浄化槽法第8条)、自ら行わない場合は、業者に委託することができます。この場合、三重県では『浄化槽保守点検業登録申請』をした業者に限定されます。

単独処理浄化槽の保守点検回数

処理方式浄化槽の種類期間年間
全ばっ気方式1.処理対象人員が20人以下の浄化槽3ヶ月4回以上
2.処理対象人員が21人以上300人以下の浄化槽2ヶ月6回以上
3.処理対象人員が301人以上の浄化槽1ヶ月12回以上
分離接触ばっ気方式、分離ばっ気方式又は単純ばっ気方式1.処理対象人員が20人以下の浄化槽4ヶ月3回以上
2.処理対象人員が21人以上300人以下の浄化槽3ヶ月4回以上
3.処理対象人員が301人以上の浄化槽2ヶ月6回以上
散水ろ床方式、平面酸化床方式又は地下砂ろ過方式6ヶ月2回以上

合併処理浄化槽の保守点検回数

処理方式浄化槽の種類期間年間
分離接触ばっ気方式、嫌気ろ床接触ばっ気方式又は脱窒ろ床接触ばっ気方式1.処理対象人員が20人以下の浄化槽4ヶ月3回以上
2.処理対象人員が21人以上50人以下の浄化槽3ヶ月4回以上
活性汚泥方式1週間52回以上
回転板接触方式、接触ばっ気方式又は散水ろ床方式1.砂ろ過装置、活性炭吸着装置又は凝集槽を有する浄化槽1週間52回以上
2.スクリーン及び流量調整タンク又は流量調整槽を有する浄化槽(1に掲げるものを除く。)2週間26回以上
3.1及び2に掲げる浄化槽以外の浄化槽3ヶ月4回以上
Inspection

法定検査について

法定検査は、「設置後の水質検査(7条検査)」と「定期検査(11条検査)」があります。そのうち毎年行う定期検査は、いわば浄化槽の「年1回の健康診断」です。
保守点検とは目的、作業内容が異なり、保守点検業者と委託契約をしていても指定検査機関による法定検査は必要であり、浄化槽の規模や処理方式等にかかわらず、すべての浄化槽が受検の対象となっています。(有料

設置後の水質検査(7条検査)

「設置後の水質検査(7条検査)」とは、新たに設置され、又はその構造若しくは規模の変更をされた浄化槽については、環境省令で定める期間内に(使用開始後3ヶ月を経過した日から5ヶ月間)、都道府県知事が指定 する指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければならないことになっています。この検査は、浄化槽法第7条に規定されているので「7条検査」と呼ばれています。
これは浄化槽が適正に設置され,所期の機能を発揮しうるかどうかは,実際に使用を開始された後でなければ確認できないため、機能に着目した設置状況を検査し、欠陥があれば早期にそれを改善することを目的としたものです。

検査内容項目
外観検査外観検査は、浄化槽の設置場所において、その設置されている状態を観察し、浄化槽内部を目視すること等により、各項目について行います。設置状況
設備の稼働状況
水の流れ方の状況
使用の状況
悪臭の発生状況
消毒の実施状況
か、はえ等の発生状況
水質検査検査員が浄化槽設置現場で各項目の水質測定を行います。又、BODについては採取した処理水を持ち帰り適正な温度管理のもと、5日間培養した試料について分析を行います。
水質の測定により浄化槽の働きが正常かどうかをみます。
BOD(生物化学的酸素要求量)
pH(水素イオン濃度指数)
汚泥沈殿率(活性汚泥方式のみ)
溶存酸素量
透視度
残留塩素濃度
塩化物イオン濃度(単独処理浄化槽のみ)
書類検査保守点検の記録等を参考にして、適正に設置されているか否かを検査します。

定期検査(11条検査)

「定期検査(11条検査)」とは、管理者の責任として定められている保守点検・清掃が実施されているか、浄化槽の機能が正常に維持されているかを調べるもので、浄化槽管理者は、浄化槽が所期の機能を十分発揮し、放流水質が悪くなって身近な生活環境の悪化等につながるようなことがないように、都道府県知事の指定する 指定検査機関の定期検査を毎年1回受けることとされています。この定期検査は、浄化槽法第11条に規定されているので「11条検査」と呼ばれています。
法定検査は『浄化槽法第57条』に基づく指定検査機関で行います。
三重県において『一般財団法人三重県水質検査センター』が指定検査機関になっています。

検査内容項目
外観検査浄化槽の設置場所の状態、及び浄化槽内部を目視することにより、各項目の検査を行います。設置状況
設備の稼働状況
水の流れ方の状況
悪臭の発生
消毒の実施状況
か、はえ等の発生
水質検査検査員が浄化槽設置現場で各項目の水質測定を行います。又、BODについては採取した処理水を持ち帰り適正な温度管理のもと、5日間培養した試料について分析を行います。
水質の測定により浄化槽の働きが正常かどうかをみます。
BOD(生物化学的酸素要求量)
透視度
残留塩素濃度
塩化物イオン濃度(単独処理浄化槽のみ)
汚泥沈殿率(101人槽以上の活性汚泥方式のみ)
書類検査保存されている保守点検及び清掃の記録並びに前回の検査の記録等を参考として適正な維持管理が行われているか否かの検査です。

浄化槽法定検査手数料金

※検査手数料には消費税は課税されません。

設置後検査(7条)新規

人槽料金
20人以下¥8,000
21~100人¥12,000
101~300人¥18,000
301~500人¥20,000
501人以上¥25,000

定期検査(11条)

人槽料金
20人以下¥4,100
21~100人¥8,000
101~300人¥14,000
301~500人¥16,000
501人以上¥22,000
Q&A

浄化槽Q&A

トイレが水洗となっている場合は、(1)下水道にながされるか、(2)コミュニティ・プラント(市町村が設置するし尿処理施設)に流されるか、(3)浄化槽に流されるかのどれかになります。そして汚水は、それぞれのところで処理されて河川などに放流されています。
浄化槽は微生物の働きなどを利用して汚水を浄化し、放流するための施設であり、もっとも身近な汚水処理施設です。

水の汚れの原因は汚水中の固形物と水中に溶け込んでいる有機物質とがあります。固形物は沈殿・浮上させることで分離したり、ろ材等でこしたりします。溶解性物質は微生物などの働きで除去します。

BODとは、Biochemical Oxygen Demandの略で、和訳すると生物化学的酸素要求量という意味です。水の汚濁指標として用いられ、微生物が水中の有機物を分解するときに消費する酸素量として表され、この値が大きいほど、水の汚れの度合いがひどいことになります。
毒物が流れ込んでいないのに、川で魚が死んでいることがありますが、これは水の中の酸素が足りなくなっているからであり、川の生き物も酸素を吸って生きています。私たちが 汚れた水(有機物)を川に流すと、それを食べている微生物たちが増えて、たくさん酸素が必要になる。すると川の中の酸素が減って魚たちが息ができなくなって死んでしまいます。

浄化槽法は下水道の整備の進まない地域のトイレの水洗化要望を満たすことを目的として、急速に普及した単独処理浄化槽の適正管理を目的として制定されました。そのために適正な管理を行わなければ環境を汚染するおそれのある単独処理浄化槽を製造から設置、維持管理にいたるまで規制により管理するという法制度となっていました。昭和50年頃から、屎尿に加えて生活雑排水を処理する合併処理浄化槽が普及し始めました。また合併処理浄化槽の普及促進を図るため、昭和62年度から国庫補助制度が導入されました。浄化槽については、適正な製造、設置、維持管理を行うための法律による規制と、合併処理浄化槽の普及促進を図るための国庫補助を車の両輪として、汚水処理施設としての浄化槽の普及促進、適正管理を行ってきています。
なお、平成12年の浄化槽法の改正により単独処理浄化槽の新設は原則禁止され、合併処理浄化槽を「浄化槽」と定義し、既設の単独処理浄化槽はみなし浄化槽として浄化槽法の適用対象としています。 また、平成18年2月1日より施行されました「浄化槽法の一部を改正する法律」では、法律の目的において、公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図ることが明示されました。
浄化槽法には次のようなことが定められています。

  • (1) 浄化槽の製造

    浄化槽を生産しようとするメーカーは国土交通大臣の認定(型式認定制度)を受けなければ製造することが出来ないことになっています。この認定を受けるには、浄化槽の構造や容量のほか、強度についてもチェックを受けることになっています。 このように浄化槽は厳重なチェックを受けて生産され、また工場から出荷するときには水漏れがないかどうかなどの検査が行われています。

  • (2)浄化槽設置の届出

    浄化槽を設置しようとする場合には、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区に合っては、市長又は区長)に届け出る事が義務づけられています。実際の届出の受理は保健所が行っていることが多いようです。
    なお、住宅を新築する際など建築確認申請を行う場合には、建築確認申請書に浄化槽の仕様書等を添付して建築主事の確認を受けることになります。

  • (3)浄化槽の工事と浄化槽設備士制度

    浄化槽の工事は、都道府県知事の登録を受けた専門業者か又は届出を行った業者が行うことになり、その工事は環境省令・国土交通省令で定めている「浄化槽工事の技術上の基準」に従い行わなければなりません。
    また、実際に工事を行うときは、浄化槽設備士という国家資格を持っている者が工事を行うか又はその監督のもとに行われます。

  • (4)浄化槽の使用開始報告

    浄化槽管理者は、浄化槽の使用を開始してから30日以内に使用開始報告書を都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)に提出しなければなりません。

  • (5)浄化槽の使用に関する準則

    浄化槽の正常な機能を維持するために浄化槽使用者が守るべきこととして「浄化槽の使用に関する準則」が定められています。

  • (6)浄化槽の保守点検と浄化槽管理士制度

    浄化槽管理者は、環境省令で規定している浄化槽の「保守点検の技術上の基準」に従って、定期的に保守点検を行わなければなりません。
    しかし、浄化槽の保守点検を行うためには専門的な知識、技術が必要ですので、浄化槽管理者が自ら保守点検を行わなくても都道府県知事の登録を受けた保守点検業者に委託することができることとされています。
    浄化槽保守点検業の登録を受けた業者には国家資格者である浄化槽管理士がおり、保守点検業務は浄化槽管理士が行います。

  • (7)浄化槽の清掃

    浄化槽管理者は、環境省令で定める「清掃の技術上の基準」に従って、浄化槽の清掃を定期的に行わなければなりません。しかし、保守点検と同様、浄化槽の清掃を行うためには専門の知識や技術が必要ですので、市町村長の許可を受けた浄化槽清掃業者に委託することができるとされています。
    浄化槽の清掃の回数は毎年1回(全ばっき方式の浄化槽については、おおむね6ヶ月ごとに1回以上)とされています。

  • (8)浄化槽の定期検査制度等

    1)使用開始後の水質に関する検査(7条検査)
    浄化槽管理者は使用開始後3ヶ月を経過した日から5ヶ月間に都道府県知事の指定する指定検査機関が行う水質に関する検査を受けなければなりません。この検査は主として浄化槽が適正に設置されているか否かを判断するための検査で、受検の手続きは、その浄化槽を設置する浄化槽工事業者に委託することができることになっています。

    2)定期検査(11条検査)
    浄化槽管理者は、毎年1回、前述の指定検査機関の水質検査を受けなければなりません。この検査は主として保守点検及び清掃が適正に実施されているか否かを判断するための検査で、受検の手続きは、その浄化槽の保守点検又は清掃を行う者に委託することができることになっています。